トップページへ
新着情報
各種取り組み
流域の現状
水質の現状
大和川よごれの原因
下水道・浄化槽の仕組み
ネットワークの施策
規約・これまでの会議
河川レポート
菩提川 ♪菩提日和 ぼだいびより♪
top
日記
定期調査
資料集
国立・奈良女子大学 帯谷 博明 准教授に聞く・・・ならまち率川物語
2011年09月09日
『大学的奈良ガイド』の中で「消えた川の記憶――ならまち率川物語」を執筆されている、
帯谷博明
氏にお話をうかがいました。
気さくに語って頂いた帯谷氏 (取材場所:奈良女子大学・帯谷研究室)
帯谷博明 准教授
プロフィール
1995年 大阪大学法学部 卒業
2003年 東北大学大学院文学研究科人間科学専攻(社会学)博士 修了
2003年4月〜2005年3月 立正大学文学部専任講師
2005年4月〜2007年3月 奈良女子大学文学部講師
2007年4月 奈良女子大学文学部准教授
取得学位
博士(文学) (東北大学)
現在の研究課題
地域社会における生活と身近な自然との関わりに関する環境社会学的研究
環境保全型まちづくりと環境ガバナンスに関する社会学的研究
開発をめぐる環境運動の展開過程と地域社会の変容に関する社会学的研究
対談中の帯谷氏 (取材場所:奈良女子大学・帯谷研究室)
奈良から大阪に流れる大和川は、水質改善が進んでいるものの、全国1級河川水質ランキングワースト上位から脱却できずにいます。この現状を改善し清流を取り戻すため、行政と民間団体、企業による清流復活プロジェクト『 よみがえれ!大和川清流復活大作戦 』を立ち上げておりますが、その中の大和川清流復活ネットワークホームページ、「
菩提川 ♪菩提日和 ぼだいびより♪
」を今年6月に開設しておりますが、ご存じですか?
いえ、申し訳ありませんが存じ上げていませんでした・・・この対談のお話があってから拝見しました。
なら学談話会で、「率川の記憶と記録をもとめて」の中で率川(菩提川)をとりあげておられますが、なぜ、率川(菩提川)なのですか?
私は奈良に生まれ奈良に育ち、一時期は東北にいましたが、今もまた奈良に住んでいます。しかしながら、始めはこの川の存在は知りませんでした。この川を知ったきっかけは、
同僚
に”ならまちを歩いていたら、古い橋の親柱があった”と聞いて興味を持ちました、大学院生時代に川やダムの研究を行っていたものですから・・・それから地元の方々に話しを聞いたり、古い写真を見せてもらったり、関連する文献を読んだりしました。その中で地域住民の方々の、川に対する思いを強く感じました、それは川がまだ暗渠になる前に川で遊んだり、魚を採ったり、洗いものをしたり等の思い出ですね、それで、この川を掘り下げて調べてみようと思ったのです。
絵屋橋跡 長幸橋跡
研究手法は、どのようなものですか?
暗渠化した率川についての調査を集中的にやっていた2006〜2008年頃は、地元の住民の方々への聞き取りや、暗渠周辺の景観・土地利用の調査、古い資料類の収集などが中心ですかね。今はその成果を授業の中で学生たちに伝えています。 ここ2年ほどは率川の調査から少し遠ざかっていますが、市内の暗渠化した他の川の調査も手がけたいですし、下流部の菩提川にも関心があります。たとえば、過去の水害や川への意識といった菩提川と地域の人びととの関わりに関する研究も展開したいですね。
これまでの成果はどの様なものですか?
そうですね、形として”大学的奈良ガイド”という本にまとめました。
対談中の帯谷氏 (取材場所:奈良女子大学・帯谷研究室)
大学的奈良ガイドの中で「消えた川の記憶――ならまち率川物語」を記されていますが、メッセージとして何を投げかけているのですか?
「
ぼだい川せせらぎ水辺」という地下水をくみ上げた親水公園がありますね。川の水質改善事業の一環なのでしょうが、川の再生とは、単に水の流れ(フロー)を物理的に、ハード的に復活させればいいというのではなくて、それまでの住民と川との関わりや記憶といった地域社会の固有の資源(ストック)を視野に入れて事業を展開していくことが必要なんだろうと思っています。それから、地域社会の中の「川」や「流域」という捉え方の重要性ですね。
今後の課題は?
河川等を
コンクリート等で人工的に造るだけでは無く、計画段階から住民参加型にし、地域の思いを考慮していかなければと思っています。”自分の住んでいる所って?”そう思う事が大事なんだと思います。
菩提川の水質についてどう思われますか?
悪いと思いますね・・・地元からの苦情とかはあるんですか?
におい
等の苦情がありますね。
今は生活排水が問題でしょうね、しかし、昔から汚水が流れていた様ですしね。何より川が人と触れていない、目に見えないのが問題なのでしょうね、目に入れば生活の一部として川を見る様になり、次第に思いが沸き、川に対する思いが変わってくると思いますが・・・下水化となったのも時代毎の選択であったのだと思います。
また、地域と河川の研究をされるのであれば取材等の協力をお願いします。
わかりました。10月から後期の授業が始まりますので、また取材に来ていただければと思います。菩提川への関心がもっと高まっていければいいですね。
具体的にはどんなことが考えられるでしょうか?
奈良は観光の町で古都のイメージが強いのですが、たとえば率川のような、“みんなの知らない”奈良をたどるコースを作るとか。今、暗渠はちょっとしたブームになっていますしね。このホームページもそのためのツールとして活用できるのではと思います。要は、地域の外の人に関心をもってもらうことで、地元の人たちに“自分の住んでいる町に誇れるものがある”と実感できれば。菩提川の地域の人びとの取り組みはいかがですか?
アクリルタワシの推進や、
河川清掃
、
花の植栽
等、
熱心に活動されています。
自治会の会合は、どうですか?
平成22年7月に
「
菩提川を汚さない会」が発足され、昨年は月に1度の頻度で会合を行っておりました。
地域が主体となっているのは、いい事ですね。
のぼり、旗、立て看板を設置し川を汚さないように啓発されています。また、行政も地域住民との協働により水質改善等に取り組んでいます
。本日は、ありがとうございました。
ありがとうございました。
長時間にわたり、大変貴重なお話をして頂き、本当にありがとうございました。
トップ
新着情報
各種取り組み
流域の現状
水質の現状
大和川よごれの原因
下水道・浄化槽の仕組み
ネットワークの施策
規約・これまでの会議
河川レポート
ご意見・お問い合わせは、下記の各課まで
奈良県水循環・森林・景観環境部 水資源政策課
県土マネジメント部 河川整備課
/
県土マネジメント部 下水道課
Nara Prefecture All Rights Reserved. 各ページの記載記事、写真の無断転載を禁じます。