■ 初瀬川 ■
初瀬川は大和高原を源に、桜井市を経て川西町にて佐保川と合流します。
そこからは「大和川」と名を変え、大阪湾へと向かいます。
海に面していない奈良県にとってこの川は、古の飛鳥時代より
舟運に活用されてきました。
特に桜井市の金屋付近は東へは初瀬道、北へは三輪・石上を経て奈良への山の辺の道、
南へは飛鳥に通じる磐余(いわれ)・山田道、西へは難波に通じる横大路など、
古代の東西南北の交通の要衝で、古代の人々が集い交流したことから市場が栄え、
椿がたくさん植えられていたところから「海石榴市(つばいち)」と呼ばれました。
日本書紀によると、遣隋使 小野妹子が返答使 裴世清(はいせいせい)とともに帰国し、
舟から飾り馬に乗り換えて飛鳥の都に向かったのもこの地です。
また、平安時代には長谷詣でする平安貴族でにぎわった様子が「蜻蛉日記」や
「更級日記」・「源氏物語」に描かれています。